ギターの気付記
ここ最近自分の定番となりつつある、調弦の時のTIPについて。いつもの記事に比べれば、少し役に立つかもしれない記事。
調弦の順番を意識している。
弦楽器の中でもヴァイオリン族では、タイの構造上、一本の弦を正確に調弦しても、他の弦の張力が低下し、結果として音が低くなるように影響する。
ギターはヴァイオリン族ではないから、そのようなことはない――とは言われているが、実際にはタイでなくても、表板に弦を止める構造上、わずかだけれどもヴァイオリン族同様、各弦の張力に影響し合っている。
このことは、張力が低い弦ほど多く見られるように思う。つまり、1弦よりは6弦の方が緩みやすい。自分はショートとミディアムの中間のスケールのギターを使っているので、余計にそう思うのかもしれない。
そこで最近、調弦の際に、弦の順番を意識するようにした。とはいっても、なんてことはない、張力の順番に合わせるのではなく、影響の出づらいように合わせるのだ。
具体的には、先に3弦から1弦の高音弦を合わせた後に、4弦から6弦へと低音弦を合わせて、最後に微調整をする。1弦から調弦しないのは、6弦より張力が高いからといって端の弦から調弦すると、全体の張力に大きく影響することと、それから単純に、1弦より3弦の張力の方が高いからである。
実際、この順番を心がけてから、音程の微調整がかなり楽になったし、それに伴ってギターも実に楽しく歌ってくれている。ほんのささいな点ではあるのだが、3セントもずれれば美しくない。ましてや弦長の短いギターならいっそうシビアである。