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あれはなんだ かたちは無く

足の爪が硬化中

手の爪よりも、足の爪の方が好きなのだ。決して短い爪が好きなわけではない。事実、細長い指に長めの爪の組み合わせは好きである。手の発色が赤系だともっと良い。爪越しに血色を眺めるのも面白い。例えるならこれらは、王道的な楽しみだ。

それに対して足の爪は邪道的な楽しみだと言える。年中僕は家で裸足だから、普段見えないものに対する愛着でもない。短い爪自体は大して好きではないから、小さいものに対する愛着でもない。ややぼてっとした無骨な足に、丸い指、正方形に近い形の爪がそろった時、なんとも言えない造形美を感じるのである。

そう、ヒントは正方形に近い爪なのだ。僕の足の爪における指に付いている部分が、もともと長めであることも関係しているのだろう。親指など、爪だけ見れば一見手の爪にも見えるくらいだ。爪の白いところは、左手以外は最低でも2mmは残す。長すぎるとひっかけるし、短すぎると肉が剥がれて痛い。左手は1mm~2mmが妥協点だ。これ以上長いとギターが弾き辛いのだ。

夏の間は足を出すことが多かった。それから今年は大変暑く、些細なことがどうにも億劫なこともあり、試しに足の爪を長めに伸ばしてみた。最長で3~5mmの所で少々切ってはまた伸ばす、の繰り返しである。幸い、家にも外にもひっかける要素がなく、安全に過ごすことができた。面白いのは、短い状態から伸びるのは早いのに、ある程度伸びてからそれ以上伸びるのは遅い、ということを発見したことだ。

そんなこんなで三か月くらい過ごしていると、ある変化が現れた。足の爪が段々硬化しはじめたのである。最近ではこまめに切っているが、そのたびバキバキと音を立てている。いつかヒビでも入るんじゃないかとも思うが、今のところ柔軟性もたぶんに備えているようで、大きくしなりながら、遂に切れる、という感じだ。元々手も足も爪は厚めだが、どんどん厚みを増している気がする。もしかすると、ちょうど2・3か月間、諸事情によりあまり健康的とはいえない食生活を送っているのが爪に現れているだけかもしれない。なんにせよ、少し危機感を覚えながら今日も爪を切る。