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あれはなんだ かたちは無く

~2013/07/25 夢日記

覚えているだけさくっと書く。

 

小規模の体育館で、ゴールを設置して数人とサッカーの試合をしていた。そのうちの一人が山ちゃんという少年で、13歳くらいの少年である。一見動きがおぼつかなく、事実ステップも上手とは言えないのだが、妙に上手く、敵の追撃をついつい躱していく。その足さばきがまるで小刻みに踊っているようにも見える。皆でいいぞ、山ちゃん!いけ、山ちゃん!と声援を送る。山ちゃんは横の位置で髪を縛っていたのと、真っ赤なユニフォームを身に着けていたことが印象的だ。

 

文房具を買いに来ていた。そこでは、一風変わった文房具を販売している。たとえば、ティッシュボックスの中に紙が詰まったノート(ノートと言ってもつづられていない。「開封するとばらけます」という添え書きすらある)や、牛乳パックの形をした便箋、などなど。その中で妙に僕が気に入ったノートの表紙。クリーム色の下地の上に、立体的な茶色い馬の絵があり、下方に『馬はあなたを愛しています』という文面の描かれたスタンプ風のマークが描かれている。丸い消印風の枠の中に、二段組で丸く収まっている。なんでこれが気に入ったのかは不明。

 

バスに乗っていた。絵に描いたようなスクールバス、と言った風の小さなワゴンバスで、どこかに向かっていた。ちょっとさびれた風な街並みが、窓の外を流れて消える。街はどこかミニアチュア風でもあったし、色が退色したようでもあった。これまた小さなバス停に停車するたび、一人ひとり下車していき、とうとう乗客は僕を含めて三人になっていた。僕は降りようと思い、前方の出口付近に立っている。いつもの赤青白のストールを巻いている。後ろには同じく停車待ちの中学生が二人立っていた。一人は紺の詰襟を着て、もう一人は白いパーカーを着ていて、眼鏡を掛けていた。そのうちするすると僕のストールが取られたので、あっ、こらと言って後ろを振り返る。紺の中学生がとって白い方に掛けたのらしい。結構似合っていたので「似合いますね」と言ったら、「じゃあこれくれますか」と言われた。「あげないよ」、と言って取り上げる。全員同じ最終のバス停で降りる。白い中学生とはどうもシンパシーを感じたというか、興味があったのでしばらくいろいろ話す。連絡先を教え合って別れた。お互い、携帯電話がビビッドイエロー(わずかにオレンジがかっている)だったのが印象深い。

 

2Dのゲームの画面を上から見ていた。その中で動く一人が自分だということも分かっていた。色は少し褪せていて、淡い紫や濃い緑が際立っていた。このゲームには以前も何度か参加したことがあるが、ストーリー分岐はそのときとは違っていた。僕は詳細不明の旅人ということで、何かのきっかけで閉ざされた村にたどりついたらしい(この設定はいつも同じだ)。閉ざされた、とはいっても、村人が外に出られないだけであって、外からは自由に人を受け入れているし、村にも暗い影はあまりない。その村のはずれには、広い野原の中央に樹齢100年ほどの大樹があって、どうやらその大樹にまつわる何か呪いのようなものを受けていて、村が閉ざされたのらしい。僕はその謎を解くべく、茶色いテンガロンハットを傾けて大樹の周りをぐるぐる回るが、何もない。ここに道ができたとき、道は開けるらしいのだが。と、意識が混濁し、気が付くと民家に寝かせられていた。傷ついた小さな白ヤギに変身している。傷はなかなか癒えないものの、三日も経つと立てるようになり、よろよろと大樹の方へ向かっていた。いつの間にか足は人間のものに戻り、手も人間のものに戻っていた。その時、朝露に濡れる草の中に、ちぎれた水晶のネックレスを見つけた。大小様々の丸い水晶が一繋ぎになっている。見つけたときはうす緑に濁っていたが、見ているとだんだん灰色になり、ついぞ透明になった。それを両手で捧げ持ち、大樹の方へ向かった。落ちているわけではないのに、水晶はだんだん減っていき、直径3cmほどの水晶が2つと、直径7mmほどの水晶が1つになっていた。気が付くと、大樹の周りを小人が走り回っている。砕いた岩で、村の外へ続く道を築いているらしい。手の中の小さな水晶が明滅しているのに気づき、片手で持ち上げると、中に舞う金の粉が見えた。いつのまにやら周りに人が集まってきて、口々に鑑定してやると言ってくる。その必要はありません、だって僕望んでいませんと告げ、そこを出て村に向かう。

 

母に本を借りた。厚みは薄く、幅5mmほどだ。カバーはない。背表紙のところは濃い紫色をしていて、タイトルなどの記載はない。A4変版、薄い紫色の表紙で、濃い紫の文様で縁どられている。青白くも美しい、夢二風の女性が描かれている。昔の小学校の教科書らしい。へえ、といって中をぱらぱらめくると、つるつるの白い紙に文字がびっしり印刷されている。挿絵はフルカラーで、昏いというかどこかおぞましいが、なぜか綺麗に感じる。雰囲気自体はイスラム圏のような気がするのだが、日本の教科書だし、書かれている文章は紛れもなく日本語である。中の文章はあまり覚えていない。『ナバホと日本人の……』というタイトルで、日本人のアイデンティティと大陸性思考の関係がどうとか、不倫をこじらせた男女を題材に、真の愛情とは何か、官能の先にあるものは何かとか、少しひねった風の題材ばかりが並んでいた。その夢の中では、珍しく夢だと認識していなかったので、これ本当に小学校の教科書か?と思いつつ、どこに置いておこうかな、と考えた。今住んでいる家よりもより広くなっていたが、寝室の位置と構成は変わっていなかった。寝室には事実よりもたくさん段ボールの箱が積んである。胸くらいの高さに、割と大きな段ボールが積んである。教科書より大きいし折れる心配もない、後で読むからここに置いておこう、とその箱の上に載せて、部屋を出て行ったところで明転。

 

気が付くと裸だった。細長くて真っ白な部屋の中にいた。部屋は、自分が向いている方向に対して長い。反対の方向には短く、両腕を伸ばさずとも両手が壁に着く。天井は高く、2階ほどある。電気はないが明るく、どの方向にも強い影はない。寒いとか恥ずかしいとかはとくに思わず、ああ服を探さなきゃなと思った。しゃがめばなんとかなるような気がしてしゃがむ。気が付くと斜め右下方に白い箱が見える。自分と並行になるような形で置いてある。細長い部屋だから壁だと思っていたが、そうではなくて空間があるらしい。そこに板が現れたり、箱が現れたりするらしい。箱の中には色とりどりの斬新な下着が並んでいた。今すぐ身に着けたい、というよりは、デザインの面白さという意味で少なからぬ興味を持った。しかし、そのどれもに値札が付いているのである。当然何も持っていないから、金銭も持っているはずがない。買わないものを勝手にべたべた触るのは失礼だから、この下着はあるがままにしておこう、と思ってそのままにしておいた。時折上を見たり横を見たりして時間が過ぎる。何も変化は起きない。狭いとか、ここから出たいだとかいう気も起こらない。ここにいることは自然ではないということはわかっているのだが、とりたてて危険とも認識していないのだ。そのとき、右から声が響いた。「こうなったのは、自分の責任でしょう。」夢の中の僕は、その声に驚くこともなく、ぼんやりと、ああ自分の責任だなと思った。もちろん何が起こっているかは知らない。しかし、全てのことは選択されていて、僕はどこかでこの未来を選んだのだ。だったら自分の責任だ、そういうことは理解できる、と。そのまま時間が経っていくのを感じながら、ずっとしゃがんでいた。逃げ出せないのではない。その瞬間さえ、何かの決断を迫られた瞬間の様な気がして。