Ж,!

あれはなんだ かたちは無く

2014/08/19夕方 夢日記

少し前に旅行から戻ってきた。旅行自体は楽しいが、それとは別に、僕は最近自分自身の事についてどこか後ろめたいような困っているようなところがずっとあった。

旅行中はずっと、気持ちのよい快晴であった。普段は天気予報をあまり見ないのだが、なんとなく気になって確認する。今晩から全国的に天気が崩れるらしい。

はじめは全く疲れを感じていなかったが、それはたぶん錯覚で本当は疲れていたのだろう。今日の夕方から考え事をしつつ横になっているといつの間にか眠っていて、夢を見ていた。

 

印象的な夢であった。相変わらず僕は高校の最高学年で、次の日までに提出するレポートと、見知らぬ後輩からとある雑誌の新たな編集長をいきなり任されるも情報がなくわたわたしていた。

まずはシャープペンがどうしても見つからず困っていた。というのも、そのペンで書かなければ自分は気が進まないようであるのだ。ペンには他にも7色のボールペンがセットされてあるらしい。自宅学校屋内屋外と探した。

自宅は外観は今住んでいるところと変わらないのだが、内装は全く違っていて、間取りも違えば配置も違う。天井は高くフロアは広く、特に印象的なのは壁紙も家具もなにもかも真っ白だということだ。

捜索を家族にも手伝ってもらいながら、1階の駐車場でようやく発見した。そんな場所で発見したにも関わらず、ペンは綺麗な状態であった。

 

その後、教室で、数学教師と話していた。実際には知らないのだが、もう十何年も知っているような、心から信頼できるような怖いような不思議な雰囲気で、目は暖かさと冷酷さを併せ持った鋭い輝きをもっている。この人は自分の導き手である、しかしいつもいつまでもいるわけではない。直観的にそう理解していた。

はじめは他愛ない話であったが、だんだんと深層に迫った話へと変わっていった。冒頭で書いた、僕の心の中の逡巡や現状をやはり見抜かれているのだ。話の詳細はほとんど覚えていないのだが、螺旋階段を降りて行くようにつながっていく話であった。

教師は肉じゃがを食べ始める。食事しているのに、教師は食事をしていないように見える。逆に自分は、食事していなのに、食事をしている感覚がする。食事というのは少し違うかもしれない。目に見えるものとしては肉じゃがの形をしているが、何かエネルギーのようなものを交換していた。

教師は僕のことを否定も肯定もせず、ただあらゆる方向からの単純だが難しい質問を投げかけ、自分はそれらに全て答えていた。少しずつ、自分のなかの原動力のようなものが息を吹き返すのを感じたが、まだどこか暗いヴェールにおおわれているような感覚が抜けない。

少しずつ教師の色が透けていく。もうこの夢もそろそろ終わりなのだ、と悟った。最後に教師に聞かれたのは、「お前は答えを出すべきものに対してどう立ち向かうか?」ということだった。実際にはこの後に分かりづらい抽象的な事をも聞かれた。

自分は、まず「最後のことはよく分からなかったので、意図をとらえられているかどうか自信はありませんが、」と前置きをして、「常に逃げずに正面から向かい、答えを出す」と答えた。淡々と答えているようだが、心の動き的には言うというより叫びに近かった。抑えきれない思いが質問を受けたことで箍が外れ、魂が衝動的についに思いを言葉にした。そんな風であった。ちなみに、実際には今のところ残念ながらできていないことも度々あるが、夢の中の自分の言いたいのは、常にそのような姿勢を忘れない、ということらしかった。

また、夢の中の自分は現実より年下、つまり過去の自分であるように見えるが、どうも未来の自分であるような気がする。そして、未来の自分は今よりかは色々とうまくやっていけているらしい。

今よく考えれば、夢の中の自分は、実際の年齢より5歳ほど年下ではあるが、自覚している自分の精神年齢よりも2歳近く年上である。まぁ正直にいって自分の年齢感覚からするとどちらも些細な差で数字自体に意味はないのだが、とにかく、やはりあれは未来の自分だったのだろう。

数学教師は「怯むなら10秒、逃げるなら7日、後回しにするなら15日」と静かに言った。(意味はよくわからないのだが、どうも、自分が消極的な答えを言った場合に言おうとしていた内容なのだということはわかった。数字はピンとこないが、なにか意味のある気がする。)そして、教師は「それならばもうお前は大丈夫である」と静かに言い、立ち上がって教室を去ろうとした。

その時風景が歪み始め、高速で回転を始めた。それと同時に眩しくて眼を開けていられないほどの光が発生し、僕は思わず眼を保護した。一瞬ののち眼を開けると、白っぽいようなグレーのような、奥行きも幅も感じない不思議な空間に浮かんでいた。こうして文字にすると不気味だが、不思議と恐怖感は感じなかった。そしてゆるやかに目が覚めた。このような夢の終わり方は、覚えている中では初めてのことであった。

 

辺りは暗く、時折激しい雷が鳴っている。自分は雷は怖くないが、空の色に少し恐怖を感じた。黄色がかった灰色で、所どころ深い灰色をしている。その黄色の度合いに、なにか得体のしれないような、なにものかを飲み込もうとしているような雰囲気を感じたのだ。

そして、先ほどの印象的な夢について少し考えた。全体的によく分からない部分が多いが、ずっと曇っていた心が晴れていく感じがした。何者かはわからないが、会ってくれたことに、助言だろう言葉に、感謝したい。どうも印象からして完全なる味方ではない、というより中立的な立場の存在のようだが、絶対的に暖かい強いなにかを感じたのもまた事実だ。

ここにきてようやく旅行の疲れが見え始めたし、相変わらず離人はひどいし頭はぼーっとするけれど、少しずつ動いていこう。そういえば、自分で決めたタイムリミットのようなものも着実に近づいてきているのだ。

自分の言った、というより衝動的に魂が叫んだ、「答えを出す。」きっとそれが望みでありなすべきこと。それが良くても悪くても、自分にとってとるべき行動なのだ、と思う。