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あれはなんだ かたちは無く

ストラテラ 経過観察

自己紹介で話したように、自分はアスペルガーADHDである。その特性が色濃いため、現実社会に適応しようとすれば、様々な問題が生じることが多い。そこで、現在は数種類の薬を服用することで、それらの問題に対応しようと試みている。

さて、前回の診療から新しくストラテラを処方されている。今日で6日目となる。主治医によれば、ストラテラADHDの薬であり、衝動性などを緩和する働きがあるのだそうだ。また、効果は約2・3週間ほどで明確に現れ、服用を続けることで効果は持続するとのことである。

今の段階では、効果が明確になるまではほど遠いのだが、すでにいくつかの効果のようなものを感じているので、記録してみたい。

 

・思考をするときに、脳内がクリアになったような感覚がする。

普段自分は、脳内環境が非常に”情報過多”な状態で過ごしている。定型の人には理解し辛いだろうから、ロックとオペラとニュースと無線と掃除機を同時に流した状態をイメージしてみるとよい。余裕があれば、視覚や嗅覚も同様にしてみると、さらによい。慣れないうちは、自分の声もかき消されそうなくらいである。(これら脳内環境のことについては、記述するとと非常に長くなるので、詳細は別の機会に書く。)

ところが、ストラテラを服用すると、それらの情報が、あたかも見えないネットで遮られ、その多くはこちらまで届かないようになる。もちろん、すべてがシャットアウトされるわけではないし、内面を由来とした情報は、とくに遮断され辛いようである。したがって、情報を制限することにより、脳内がクリアになったように感じる。

問題なのは、自分はこのことについてあまり好ましく思えないことである。なんだかんだと言いはすれど、実はこの脳内環境は結構気に入っているのだ。確かに騒がしい。騒がしいのだが、それは、通常ではできないような冒険や発見に満ちている。

 

・日常生活の過ごし方に差が現れてきた

正直にいって、あまりまっとうではない過ごし方をしてきた。例えば、朝早い時刻に、それも定刻になど起きられないし、すぐに気が散ったり逆に集中しすぎたりして、他人から見ればまったく予定というものがないように見えるだろう。他にも、やるべきことはやらないし、たとえ自分の望みであっても、一度面倒だと思えばずっと先延ばしにしてしまうのだ。

(それらは一応ADHDの典型的症状ということだが、自分では、完全に特性のせいにしてはいけないと思っている。以下は、そのうえでの観察である。)

ところが、薬の服用を始めてから、定刻ではないものの、朝に起きられるようになった。午前中気だるいことは変わらない。これはどちらかといえば血圧由来の症状であるような気がする。それから、やるべきことを書きだして、順番に万遍なく取り組むようになった。どうして今までできなかったのかが不思議なくらいである。

 

・閉塞感が比較的少ない

現在、ストラテラ以外にも特性と症状に合わせた薬を服用している。ストラテラを処方される前は、まるで自分というものが出てこないように抑えられるかのような閉塞感を感じた。そして、脳内環境のいくつかは存在感を色薄くしてしまったような気がした。それとは異なり、ストラテラを処方されてからは、閉塞感がなくなったわけではないが、以前に比べると少ないように感じている。また、脳内環境は、確かにそこにいるという存在感があり、手が届いたり届かなかったりするだけのような気がしている。以前に比べると、状況は改善されたのかもしれない。

 

ところで、自分自身にも努力すべき点がある。まず、脳内環境の処理に多少変化が見られ、好ましくないので、以前と同様になるように努力すること。そして、脳内がクリアになったとはいえ、深い考察・洞察を行うことを避けているように思えるので、それらを行ってみて避けないようにすること。

(ひょっとすると、ストラテラは脳のある種の過剰な働きを抑える働きがあるので、「深い考察・洞察」は、この過剰な働きに該当するのかもしれない。もしも、そうだとしたら、考察以外にも同等に頭を使うことが好きなので、普段から脳の使い過ぎであり、それが体調の不安定に由来すると言えるのかもしれない。良いのか悪いのか。どっちを取るか。ということだ。)