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あれはなんだ かたちは無く

ギターの気付記 図解・右手のフォームと考察

現時点での今の自分の右手のフォーム(+α)と、それに至るまで観察した考察を記録しておこうと思う。長いよ!

ちなみに、フォーム関係でヒットすることが多いらしく、以前書いたフォームと音色の記事へのアクセスは定期的に続いている。あれはメモだというのに、不憫なことこのうえない。
それが今回の記事を書くに至った動機というわけではないが、今回は一応読みやすさを考慮してみた。個人的な癖や体躯が関わるので完全に参考にはならないだろう。しかし、ギターの特質的な部分も大部分関わるため、全く参考にならないわけではないんじゃないかと思う。勝手に。

 


~撥弦位置~

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なかなかこの角度の画像ってありそうでないよね!周囲が散らかっているのはご愛嬌。
さて、大きく、サウンドホールの中心付近、サウンドホールの縁、サドル寄りの3か所に分かれることが多い。周知のとおり、弦の張力の関係で、ナットに近くなるほど音が柔らかくなる。vice versa.
このうち、自分は、大体サウンドホールの縁に中指がかぶさるようにして弾くのが好み。低音部の若干の甘さと、高音2音の煌びやかさのバランスがちょうどいいと思っているのだ。

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ちなみに、各指の動く位置をおおまかにトレースすると、上の画像のようになる。ギターが斜めになっているので参考程度に。


~右手のフォーム、というか角度~

右手のフォームは、大きく分けて3つ―指をゆるく伸ばしたフォーム、握ったような中間的なフォーム、甲を立てて指を交差させたフォーム―に分けられることが多いように思う。もちろん、これ以外の人もたくさん見かけるし、より細かい分類を始めるときりがない。(それが面白くもあるけど。)
はじめに言っておくが、僕は、どれが正しくてどれが誤りであるとかそういったことは考えない。しかし、ある程度音色との関係を知っておくことは、理想の音色へ近づく鍵になると考えている。
片手で一眼レフを操作するのって大変!セルフが面倒だったので、正面画像は無いよ。

  1. 指をゆるく伸ばしたフォーム
    あまり弦に指を深くかけないことと、親指と人差し指がくっつきがちな点で判別できる。
    また、小指をピックガードにつけることが多い。僕はこのフォームで演奏しないので、理由はわからないが、安定性を高めるためだと思う。

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    低音が響きすぎることも高音が響きすぎることもなく、子守唄を歌っているかのように穏やかな演奏ができる。指の角度より、指捌きにやや難があり、隣の弦に触れてしまいやすいほか、力強く早いパッセージは最も苦手な分野である。
  2. 握ったような中間的なフォーム
    ※”中間的”とは、フォームが1.と3.の中間のように見えること。
    最も指を曲げるため、かなり弦に指を深くかけていること、正面から見ると指先がほとんど見えない点で判別できる。
    僕はこのフォームで演奏することが最も多い。

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    個人差がかなり多いフォーム。(僕の場合は、次の章に記述する。)やや強調した程度の低音と高音が非常にバランスがよく、力強いというよりは明るい演奏を得意とする。3つのフォームの中では、少ない力で最も強く弾くことができる。そのためか、アコースティックソロギター奏者に多いように思う。一方、ピアニッシモのようなごく繊細な表現や、暗く沈みきった表現は最も苦手な分野である。
  3. 甲を立てて指を交差させたフォーム
    弦から掌が大きく離れていることと、親指と人差し指が交差されがちな点で判別できる。
    このフォームで演奏することも結構ある。クラシックギターでやるのがお気に入り。

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    ”卵をかかえたフォーム”とも説明される。クラシックギターの教本には大体このフォームが乗っているので、クラシックギターが長い人・メインの人はこのフォームを用いる人が多いように思う。バランス良好ながらもかなり強調したサウンドは、好き嫌いが別れる。たぶん、クラシックギターは中音域が比較的豊かなので、アコースティックギターよりもバランスが整うのだと思う。アコースティックギターでも、ローズウッドよりマホガニーの方が落ち着いたサウンドになる。高音次倍音を強調したフォルティッシモから、聞こえるか聞こえないかのピアニッシモまで自由自在。苦手な分野は特にないが、かなり気を付けて弾かないと、全体的にむらが出やすい(=気を緩められない)フォームと言える。

え?1.の説明が少なすぎる?そりゃ、普段弾かないもの。


~個人的なフォーム+α~

前章で述べたとおり、僕は前章で言う2.と3.のフォームを使う。1.はどうも使いづらいし音が強くないので使わない。比率にして、2.:3.=8:2くらい。3.はクラシックギターで弾いた方が綺麗なので、アコースティックギターではほとんど使わない。
また、冒頭のとおり、僕はサウンドホールの縁で演奏するのが好きだ。サウンドのバランスや、音の伝達性が気に入っているのだ。その結果、僕のギターは高音域がよくなるように鳴ってしまった。僕はストロークもやるが、いわゆる合板ギターにしては音が綺麗なのは、高音域にかなりシフトしているせいもあるかもしれない。
(ところで、ソロとストロークの手首の使い方は全く逆で、僕はいまだにとっさに変えられない。苦笑。)
もう一度2.のフォームを見てみよう。

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これは構えた状態で、手の内側が分かりにくい。そこで、弾いている瞬間をとらえた画像も見てみよう。(もちろん、これは誇張した図である。実際にはこんなに上に引き上げていないし、親指は弦からほとんど離れていない。

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一見親指はあまり伸ばしていないように見えるが、そのほかの指は内側にかなり曲げているので、親指は自由に動かすことができる。
また、二枚目の画像から、かなり指を弦にひっかけているほか、ほぼ垂直かつ真上に振りぬいていることがわかる。
この「垂直かつ真上に振り抜」くことが僕の中では重要だ。結果、爪は当たるか当たらないか(僕は爪は伸ばさない)なのだが、煌びやかすぎない太いサウンドを得ることができる。また、姿勢の関係で安定しているうえに、真上に振り抜くことで、軽く弾く割には明るく力強いサウンドを容易に得られるのだ。(だから、はじめから高級ギターを使っていたら、また違ったかもしれない。)

 

+α、もとい姿勢
ギターは3点で固定している。右足の上側と、ひじの上腕側の関節と、みぞおちの真上の骨である。その結果、かなり固定され安定する。(もっとも、ちょうどいい位置に載せないとかえって弾きづらくなるので気を付けたい。)
また、右足にはギターのくぼみを載せるのではなく、ギターのくぼみの上の部分を斜めに載せている。その結果、ギターは全体的に少しネックが立った状態となる。
ちなみに、この姿勢は、どんな大きさのギターにも対応できる。なぜなら、足の高さを調節して、同様に固定してしまうだけでいいからだ。幸い僕は腕が長いので(その代り指は短いけど)、この方法で左腕は特に困ったことがない。
写真がなくて分かりづらいが、より簡単に力強く弾きたい人、大きいギター(Gibsonの200とか)を固定しづらくて困っている人は一度お試しあれ。