魂を求める音
数か月ぶりに、もうどうにでもなってしまえ!と思うタイミングがやってくる。
そんな時は大抵何も手につかないのだが、ずっとそう言っていても何も変わらないので、何か行動するようにしている。
今回は期間に比例して反動が大きかった。そんな今日は、一度頭をクリアにして過ごそうと決めてギターを手に取った。特に弾きたい曲を決めるでもなく、気のむくままに自由なセッションをした。
僕がギターを好きな理由は、もちろん音が好きだからなのだが、弾いているとその存在が近くに感じられるからだ。
演奏中に、まるでもう一人の誰かがやってきて、一緒に合わせて演奏しているような、そんな感覚になってとても楽しい。
ピアノやタブラなど、他の好きな楽器でもそういった感覚はあるが、ギターが最も大きい。
さて、ギターにしても歌にしても、録音などで演奏を聞き返してみれば、「真剣かどうか」がすぐにわかる。
なかなか言葉では説明しづらいのだが、本当に真剣に演奏できたときは、芯がすっと通り直接心に響いてくる感じがする。もちろん心と連動しているから、これを保つことは簡単なようでなかなか難しい。
そうして意思を託された音は、いつしか、魂を求めるようになっていく。感情を得て、ひとりでに踊りだす。たぶん、この瞬間が好きだから、僕は音楽を続けているのだと思う。